今年6月、米バイオジェンと共同開発したエーザイのアルツハイマー型認知症治療薬「アデュカヌマブ」が米当局に承認されたのを受け、同社の株価が急騰したニュースを覚えている方は多いでしょう(関連記事:米FDAがアルツハイマー病治療薬を承認、迅速承認制度で)。しかし、その後の株価がどうなったかはご存じでしょうか。承認発表前7751円だったエーザイの株価は、約2週間で約64%高の1万2765円まで上がり、その後急落。8月下旬の現在は9000円程度で推移しています。新薬への期待は高いものの、普及には課題が多いとの見方も強いようです。

 企業ニュースに触れていると、ニュースの評価や業績への影響など、先行きが気になるテーマに出合うことがあるものです。そんな時、継続してチェックしたいのが株価。投資家の見方をリアルタイムで知ることで、ニュースに対する理解が深まります。

 とはいえ株価には、①本質的な意味や適正な水準が分かりづらい、②銘柄により発行済み株式数が異なるなどのため、単純に株価を比べるだけでは企業比較ができないといった弱点もあります。課題を解決するために知っておきたいのが、株価には株価を読むヒントとなる株価指標があること。株価指標は、投資家が株価水準を測るために使うモノサシ。モノサシを上手に使えば、株価の理解が深まるとともに、活用の幅を広げることができます。

 数ある株価指標のうち、まず覚えておきたいのが、企業利益から株価を測るモノサシであるPER(株価収益率)です。PERは株価を1株当たり利益で割った数値で算出され、単位は「倍」。仮に1株当たり利益が20円で株価が200円の銘柄ならPERは20倍で、投資家はこの企業の価格として「利益20年分と評価した」と見ることができます(一般に投資家は、PERが低いほど株価は割安、高いほど割高だと判断します)。

 一方、企業の資産から株価を測るモノサシがPBR(株価純資産倍率)です。PBRは株価を1株当たり自己資本(純資産)で割った数値で算出され、単位は「倍」。1株当たり自己資本が200円で株価が200円でなら、PBRは1倍。PBRが1倍ということは、株価は企業の解散価値と同じ水準で取引されていると見ることができます(一般に投資家は、PBRが低いほど株価は割安、高いほど割高だと判断します)。

 ちなみに、エーザイの8月19日時点の株価は9160円で、PERは44.8倍、PBRは3.63倍の水準。同日の日経平均株価(株価=2万7281円、PER=12.74倍、PBR=1.16倍)や武田薬品工業(株価=3673円、PER=23.1倍、PBR=1.10倍)と比べると、投資家から高い評価・期待を受けている(もしくは株価は割高な水準になっている)と読むこともできます。

(注)株価はエーザイの最高値を除き終値。日経平均株価の株価指数は加重平均ベース

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