先週末、米Amazonが一般消費者向け健康サービス「Amazon Halo」を発表した。手首装着型のウエアラブル端末「Amazon Halo Band」と専用アプリで構成するサービスだという(関連記事:Amazon、健康サービス「Amazon Halo」を発表)。

 このサービスの概要を眺めながら、思わず筆者の目が留まったのが「Tone」という機能だ。ウエアラブル端末に搭載しているマイクを利用して、声のエネルギーとポジティブさを分析する機能のようだ。

 この機能について、Amazonはこう説明している。「健康の定義には、肉体だけでなく社会的・感情的な幸福も含まれる。Toneの結果は、その幸福に対するストレスの影響が示される」。

 もっとも、音声から感情などを分析する技術自体は各所で開発が進んでいる。特段、新しいものではない。特に、コロナ禍で様々なコミュニケーションがオンライン化した中、音声から感情認識を進めていこうという動きはあちこちから聞こえてくる。

 今回のAmazonの発表で筆者が注目したのは、前述のように「健康の定義」の広さをあえて強調したことだ。リリースにはこんなコメントも書かれている。「健康は1日の歩数や睡眠時間だけではない。健康とウェルネスを改善するためのより包括的なアプローチを提供する」。

 多様性の時代。ヘルスケアサービスは、「健康か健康ではないか」という“標準解”をベースにしたゼロイチの考え方からの脱却が求められている。健康という基盤の上で個人や組織が成し遂げたいことをどう支援するのか。仮に健康を損なったとしても、その人が幸福だと感じることをどうサポートするか。それも、立派なヘルスケアサービスだ。実に幅広く、包括的な要素を含んでいる。

 何度か繰り返してきているが、Beyond Health(ビヨンドヘルス)というメディア名や本メディアの根底にある想いは、このようなヘルスケアの新たな価値創造に他ならない(関連記事:KEYWORD◎Beyond Health)。今回のAmazonの発表に少しだけ示されていた“考え方”にも、今後のヘルスケアサービスの趨勢を見た気がした。


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