「健康経営銘柄2022」の申請受付が8月末日に開始されました。健康経営銘柄とは、経済産業省が東京証券取引所と共同で、従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に取り組む上場企業を選定するもの。1業種1社の選定が基本とされており、昨年の「健康経営銘柄2021」では、48社が選定されました。

 2015年に始まった「健康経営銘柄」は、今年で8回目。選定には「健康経営度調査」に回答することが求められますが、その回答法人数は、年々着実に上昇しています。2015年は493社、2016年は573社、2017年は726社、2018年は1239社、2019年は1800社、2020年は2328社、そして昨年は2523社。この勢いだと、今年の調査には3000社に迫る法人からの回答があるかもしれません。

 この数字にも見られるように、健康経営は年々注目されています。日経平均株価を構成する225銘柄のうち8割を超える企業が健康経営度調査に回答するなど、多くの企業が経営戦略の1つとして健康経営を推進しているのが実態です。一方で、健康管理を経営課題として捉え、その実践を図ることで従業員の健康の維持・増進と企業の生産性向上を目指すのが健康経営ですが、効果が見えにくいという声も聞かれます。

 その効果を実感するためにも、「健康経営銘柄」は威力を発揮します。メディアが取り上げるようになれば、イメージアップに当然つながります。ある企業では、その効果が広告換算で3~5億円になったといもいいます。もちろん従業員や家族、取引先にもいいイメージを与えるのは間違いないでしょう。

 加えて、いい人材の採用にも直結します。一時、「ブラック企業」という言葉が頻繁に誌面などを賑やかしましたが、就業先における働き方は、就活生にとっては最も関心があるところ。健康経営に真摯に取り組む企業であれば、ブラック企業とはかけ離れていることをアピールできるはずです。

 新型コロナウイルス感染症の襲来により、「働く環境」が大きく変わり、ストレスから不調を訴える向きも少なくありません。また、コロナという見えない敵が身近なものとなり、多くの人々が健康というものを意識するようになりました。健康経営は、「やった方がいい」取り組みから「やるべき」取り組みになったと言えます。

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