MRT、トリプル・ダブリュー・ジャパン、mediVR、カケハシ――。
この並びが何か、ピンと来た読者の方もいるだろう。そう、経済産業省が主催する「ジャパン・ヘルスケアビジネスコンテスト」の歴代のグランプリ獲得企業だ。
「次世代のヘルスケア産業を担う事業者を発掘し、育成する」。そんな趣旨を掲げ、2016年に始まった同コンテスト。既に4回(2016~2019年)開催され、冒頭の4社がグランプリを獲得。現在は、5回目となる2020年版の審査が進められている。
2016年の初回から毎回、同コンテストの取材を続けてきた筆者から見て、この4年間の同コンテストへの関心の高まりは、かなり急峻だ。サポーター企業(登壇したスタートアップ/ベンチャーを支援する企業・団体)は2016年の15社から、2019年には107社へと増加。取材陣も、当初は数えるほどしかいなかったが、前回コンテストでは弊社(日経BP)の各メディアからの取材を含め、多くの報道関係者が詰め掛けていたのが印象的だった(グランプリを獲得したカケハシのスタートアップ探訪)。
それと同期して、イベント自体も拡大している。経産省によれば、応募するスタートアップ/ベンチャーの数はどんどん増えており、前回からは、まだ法人化していないアイデアベースの内容を含む「アイデアコンテスト部門」を新設。現在、審査中の2020年版では、最終審査会の前哨戦となる二次審査のプレゼンテーション大会が、「クロスヘルスEXPO 2019」(2019年10月9~11日に開催)の会場で初めて公開実施された(関連記事)。
この二次審査には、アイデアコンテスト部門に12組、ビジネスコンテスト部門に18社が登壇した。筆者が特に興味深かったのは、アイデアコンテスト部門。取材などで既知のスタートアップ/ベンチャーが多いビジネスコンテスト部門に比べ、馴染みのない顔ぶればかりで新鮮味があったからだ。
その内容はどうだったか。審査員からは「何でビジネスコンテスト部門に応募しなかったのかと思うほど、すばらしい内容だ」と評価される登壇者が複数いた。コンテスト後、審査員の一人に話を聞いたところ、「A(アイデアコンテスト部門に登壇したうちの1組)は、アイデアの目の付け所もチーム作りも極めて素晴らしい。それこそ、近々に数億~数十億レベルの資金調達が可能なんじゃないか」と興奮気味だった。
数えてみたら、この「109社」だった
どんどん新たなアイデアが生まれ、続々とスタートアップが誕生。そして、そこに関心を寄せる人たち(事業会社など)も急増している――。ここ数年のヘルスケア業界におけるこうした変化の一端を、まさに同コンテストにも見ることができる。
我々Beyond Healthも、ヘルスケアのイノベーションを追いかけるメディアとして、変化が大きいこの領域はもちろん見過ごせない。今後も、可能な限り多くのアイデアやスタートアップ/ベンチャーを取り上げていきたいと考えている。
数えてみた。今年5月にBeyond Healthが始動してから約5カ月。本メディアでどれだけのスタートアップ/ベンチャーを取り上げてきたのかを。それが下の表だ。
この数が多いか少ないかはさておき、今後も積極的に取り上げていく考えなのは間違いない。なお、前述の二次審査の様子についても、Beyond Healthで後日、記事としてお伝えする予定である。
(タイトル部のImage:arkgarden -stock.adobe.com)