2020年も残すところ2カ月となりました。多くの人にとって、今年は大きく変化した年となったことに間違いありません。新型コロナウイルス感染症は日々の生活においてもビジネスにおいても、急激な変化を起こしました。

 ビジネスシーンで特に象徴的なのが、多くの人が経験したテレワークといえます。「働き方改革元年」と言われた2019年、新しい働き方を模索する中で、テレワークのメリットも随所で議論されていました。2019年7月24日には「テレワーク・デイズ」が実施され、1日だけですが多くの企業がテレワークを経験しました。とはいえ、2020年に入っても相変わらずオフィスで働くのが当たり前だった中での、新型コロナウイルス感染症の発生。テレワークは瞬く間に浸透し、ニューノーマルではテレワークを基本とする大手企業も次々と出てきています。

 では医療の世界のテレワークともいえるオンライン診療に関してはどうでしょう。オンライン診療が保険適用となった初年度にあたる2018年度、電話・ビデオ通話によるオンライン診療を実施する医療機関はわずかに970でした。それが今年5月の調査では一気に拡大し、1万5000に迫るほどになりました。

 オンライン診療に関する事業者の動きや技術も日進月歩です。このBeyond Health内の記事を探してみても、LINEヘルスケアがオンライン診療を開始したりヘカバイオデジタルヘルスがオンライン診療用プラットフォーム「メディゲート」を進化させたりなど、関連する話題は枚挙に暇がありません。オンライン診療をめぐる技術は、今後進化して行くのは間違いないでしょう。

 一方で、今はまだテレワークほどオンライン診療を経験している人はいないようです。メディカル・データ・ビジョンが8月に実施したアンケート調査によれば、オンライン診療を受診したことがある人が約5%。テレワークに比べると、診断の品質や安全性を確保するためには、やはり医師も患者も対面での診療を望む傾向があるようです。

 流石にオンラインでは診療は無理でしょう──そんな声も聞こえてきそうです。ただ、振り返ってみると、通常の業務でも同じことを昨年までは言っていたようにも思います。必要に迫られてやってみたら、いろいろ課題も生じたけどできないこともなかった。テレワークと同様にオンライン診療も当たり前のように行われる時代が、すぐそこにあるかもしれません。

 このオンライン診療をはじめ、未来の医療はどのような姿になっていくのか。それを明らかにしていこうというのが、本日新たに開始した連載「2030年に広がる医療の未来像」です。この連載では、通院患者を対象に実施したアンケート結果を分析したうえで、地域医療のあり方を探ります。是非、ご覧ください。

(タイトル部のImage:arkgarden -stock.adobe.com)