人生100年時代を「幸せ」に過ごせる社会へ

 第5のキーワードは、ウェルビーイング。病気になっても社会の中でいかに「幸せ」に過ごせるか。2022年はこうした考えがますます重要視される1年になるでしょう。

 ウェルビーイングは、ご存じの通り、個人が幸福な状態にあること。身体的な側面だけではなく、精神的、社会的にも満たされている状態を指します。ただここで筆者が注目したいのは、たとえ身体的な健康が損なわれたとしても、精神的・社会的に満たされている状況を作り出すことの重要性です。

 例えば、がんは2人に1人が罹患する国民病ですが、治療技術の進化や高齢化などに伴って、がん罹患後の生活がますます長くなる時代になってきています。そこでいかに社会と共生し、「幸せ」を作り出せるか。Beyond Healthでも、そんな特集を展開しました(関連記事:【ピックアップ特集】がん罹患後の“幸せ”を探れ)。

 さらにこのテーマについては、有識者を交えたBeyond Health円卓会議を2021年11月に実施しました(関連記事:【円卓会議】健康で幸福な人生100年時代の実現へ「がんと行動変容」を考える)。この会議の議論でキーワードになったのが、「総力戦」という言葉だと筆者はとらえています。がん患者本人や家族、あるいはそこに携わる医療従事者だけではなく、企業の経営者、サービスの提供者、社会を構成する様々な立場の人が、まさに総力戦で、がんという病を正しく理解し、それを特別視せずに共生していける社会を作り上げていくことの重要性です。

 もちろん、がんに限った話ではなく、その他の病気も同様です。ひいては、病気になる前を含めた人生100年時代をいかに「幸せ」に過ごせる社会を作っていくか。それには、異業種・異分野のあらゆるプレーヤーの知恵を結集していくことが欠かせません。ヘルスケアを追いかけるメディアとして、2022年以降、極めて重要になるテーマだと考えています。

筆者が選んだ、2022年のヘルスケア産業を予見する5大キーワード(背景の図:Goss Vitalij -stock.adobe.com)
筆者が選んだ、2022年のヘルスケア産業を予見する5大キーワード(背景の図:Goss Vitalij -stock.adobe.com)
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(タイトル部のImage:arkgarden -stock.adobe.com)