ここに来て一気に寒くなった面年末。この冬は、健康や美容への効果を期待して自宅のお風呂が改めて見直されているようです。ここ数年で湯船につかることによる健康効果がさまざまな研究から明らかにされ、改めて入浴で体を温めることの重要性が注目され始めたからです。特に2020年はコロナ禍で自宅を出られない日々が続くなか、自宅でリラックスできる道具や住宅設備サービスのニーズが高まりました。

 この流れを受けて、21年には「お風呂」を中心に健康と美容を考える市場が大きく動くのではと予想されています。

 『最高の入浴法』などの著書を持ち、温泉博士として知られる東京都市大学の早坂信哉教授に先日お会いした際、先生のところにはさまざまな企業からお風呂の健康・美容効果に対する問い合わせや共同研究依頼が多数来ているようで、今後お風呂の健康効果をさらに高めるような商品が続々登場しそう、ということでした。

 ちなみにお風呂の健康効果とはどういうものでしょうか。

 早坂教授が千葉大学などの研究グループと一緒に実施した大規模調査(高齢者1万4000人を3年間にわたって追跡)では、毎日お風呂に浸かる人は、週2までしかお風呂に浸からない人に比べて要介護認定になるリスクが約3割も低下することが分かりました。また、大阪大学が40歳以上の男女3万人を20年にわたって追った調査では、脳卒中や脳梗塞、脳出血、そして心疾患のリスクが大幅に減少するという調査結果が出ています。

 また、お風呂は毎日の幸福度にも影響するとか。2012年に静岡県と早坂教授が共同で同県に住む6000人を対象に調査した結果、毎日お風呂に入る人はシャワーだけで済ます人に比べて1.3倍も健康だと感じており、さらに1.4倍も幸福度が高いと感じているということです。肌のターンオーバーも促進するため、体の中から美肌にしてくれる効果もあるのだとか。

 ちなみに、早坂教授によると「40℃、10分」が正しいお風呂の入り方だそうです。42℃以上では、交感神経を刺激してしまい興奮状態になる。逆に38℃以下では、温熱効果が得られないため、血流の改善につながらないのだという。なお、時間は10分以上入ってしまうと、体温が上がり過ぎて熱中症(のぼせ)につながる。そして10分未満では十分に体温が上がらず、温熱効果が得られないそうだ。

 ただし「やる気」の出ないときは42℃の熱めのお湯に5分で交感神経を刺激するとよいとのこと。長くつかり過ぎないようにしてください。また、水分補給も忘れずに。


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