2020年が明けた。今年はヘルスケア関連市場にこれまでにも増して追い風が吹く1年となりそうだ。

 1月6日の年頭記者会見で、「全世代型社会保障」の実現を今年の内政運営の「最大のチャレンジ」と位置付けた安倍晋三首相。全ての世代が安心できる社会保障を目指す上で、政府が大きな柱として掲げるのが、高齢者の健康寿命を延ばして支え手を増やすことだ。実際、昨年末に決定した2020年度の政府予算案では、健康努力による予防促進の取り組みへの財政支援を強化する姿勢を鮮明に打ち出した。

 これを受け、2020年度はどんな施策が講じられるのか。注目ポイントは自治体も企業も予防・健康づくりに本格的に取り組む必要に迫られる点。以下、その中身を見ていこう。

 まずは自治体に関して。高齢者の健康維持などに積極的な自治体を支援する国の交付金のあり方が大きく見直される予定だ。

取り組み不足の自治体にはペナルティー?

 現在、病気の予防については、対策に力を入れる自治体を財政面で優遇する「保険者努力支援制度」がある。これは、国民健康保険(国保)の保健事業で、特定健診(メタボ健診)の実施率や健康診断の受診率、後発医薬品の使用割合などが高い自治体に交付金を手厚く配分するというもの。2018年度に制度化された。

 この交付金にメリハリを利かせ、実績がある自治体には今より多く交付金が渡るようにする一方、取り組みが不足している自治体には新たに交付金を減らす方式が取り入れられる方向だ。ペナルティー的な要素を組み込むことで、自治体による予防医療への動機づけを強める狙いがある。

 介護の予防にも同様に成果に応じた仕組みの交付金がある。「保険者機能強化推進交付金」、別名「インセンティブ交付金」と呼ばれるものだ。高齢者の自立支援・重度化防止につながる取り組みを積極的に行った自治体に対して、国が努力に応じて交付金を渡す。保険者努力支援制度と同じく2018年度に創設された。

 こちらの交付金のあり方も見直され、運動など高齢者の心身の活性化につながる民間サービスも活用しながら、要介護や認知症を防ぐ効果があるとされる高齢者の交流の場を拡大した自治体などに対し、交付金が重点配分される。