やはりそう来たなと思った。

 政府は5月14日、東京や大阪、北海道など特定警戒の8都道府県を除く、39県で新型コロナウイルス対応の特別措置法に基づく緊急事態宣言を解除することを決めた。安倍晋三首相は午後6時からの会見で、新型コロナウイルスに感染しているかどうかを15~30分で調べられる「抗原検査」が前日13日に保険適用となったことをアピール。それを聞いての筆者の感想だ。

 現在、主流のRT-PCR(逆転写ポリメラーゼ連鎖反応)検査は時間と技術が必要で、検査体制の整備がなかなか進まずじまい。検査数が他国と比べて圧倒的に少ない実態には批判が集まっていた。その批判をかわす意味でも、医療現場で比較的簡便に行える抗原検査の保険適用はぜひ声高に叫んでおきたいところだったのだろう。

 実際、関係者の話を総合すると、どうやら前日の保険適用は首相会見に間に合わせるために行われた節がある。今回保険適用となった抗原検査のキットを開発メーカーが薬事申請したのは4月27日。そして5月13日午前0時をもって厚生労働省が承認し、同日午前に開催した中央社会保険医療協議会(中医協:厚労相の諮問機関)の総会の了承を得て、検査の保険適用が決まったのだった。詳しい説明は省くが、このスピード感は極めて異例である。

 同じく異例と言えば、新型コロナウイルス感染症の初めての治療薬として米国発のレムデシビルが承認されたケースもそうだ。こちらは5月4日に承認申請されると、わずか3日後の7日には承認が下り、やはりその日のうちに、同剤の投与について中医協での了承のもと、時限的措置として保険診療との併用を可能とすることが決定した。

 そしてレムデシビルの後を追うとみられるのは、日本の製薬会社が開発した抗インフルエンザ薬のファビピラビル(商品名アビガン)。安倍晋三首相は新型コロナウイルス治療薬として5月中の薬事承認を目指す考えを表明しており、月末までに承認を得ることが有力視されている。