またまた泥仕合を呈することになるのか? だとすると暗澹たる気持ちになってくる。

 任期満了に伴う日本医師会(日医)の会長選挙が、6月27日に行われる見通しとなった。世間の関心はほとんどなきに等しい会長選だが、一部では大いに盛り上がりを見せている。

 これまでに立候補を表明しているのは、現職で5選を目指す横倉義武氏(75歳、福岡県医師会出身)と、初出馬の副会長の中川俊男氏(68歳、北海道医師会出身)。報道などで目にしている人がいるかもしれないが、もともと横倉氏は続投に意欲的で、昨年8月末には地元の九州医師会連合会の会合で、会長選に向け事実上の出馬表明をしていた。

6月27日の日医会長選は現職の横倉氏(左)と副会長の中川氏の一騎打ち(写真:Beyond Health)

 実は中川氏と横倉氏は2010年に二人そろって日医副会長に就任している。ちなみに、その際の副会長選挙の投票数は、中川氏174票、横倉氏173票で、1票差ながら中川氏が上回っていた。

 ただ、そこから、中川氏より7歳年上の横倉氏は2012年の会長選に出て見事当選を果たし、中川氏は10年にわたり副会長にとどまる。

 横倉氏が会長となったのは、民主党寄りとされた当時の現職会長の原中勝征氏(茨城県医師会出身)を破ってのこと。民主党政権の凋落とともに原中氏の権勢は衰えを見せており、その機に乗じて"下克上"を果たしたのだった。

 そんな横倉氏による執行体制を中川氏も支えた。横倉氏は安倍晋三首相をはじめ自民党とパイプが太いことで知られる。加えて、温厚な人柄もあって、人望が厚く、日医内で倒幕運動は起きずじまいできた。実際、会長就任後2年ごとの選挙は無投票か大差による勝利を収め、安泰の日々。2017年から1年間は、元日医会長の武見太郎(東京都医師会出身)・坪井栄孝(福島県医師会出身)両氏に続く日本人3人目となる世界医師会長も務めた。