軽症や疑い例は「協力医療機関」が受け入れる

 医療機関間の役割分担としては、中等症や重症の患者を主に受け入れる「重点医療機関」、軽症例や疑い例を主に受け入れる「協力医療機関」、さらにはCOVID-19の治療を終えた患者の転院先や紹介先となる回復期病院や在宅医療機関も含め、機能ごとに体制整備を目指す(図2)。

図2●医療機関間の役割分担についての考え方

 今般の感染拡大時には、大規模な基幹病院にも軽症患者が入院し、新たな重症患者の受け入れに支障が生じるといった事態が起こっており、その反省を踏まえての対応だ。なお、都道府県がこうした病床の確保・整備に取り組むに当たっては、国の新型コロナ対応の臨時交付金を活用できる。

 COVID-19の新規患者が一定程度落ち着いてきている今こそ、各地域で必要な医療提供体制を再構築する必要があるのは間違いないし、急務だ。とはいえ、これらのスキームが実際に機能するのか、一抹の不安を覚えるのは筆者だけだろうか。

 理由はこうだ。

 第1に、コロナ危機に備えた医療提供体制の再構築には、公立・公的病院のみならず、民間医療機関の協力が欠かせない。民間を含めて一体的にまとめ上げるは至難の業で、都道府県によっては対応しきれないところも出てくるのではないか。

 第2に、いくら病床の整備を進めても患者をしっかり診られる医療従事者が足りなければ、万全な対応が取れずじまいとなる。そのため、医療人材の養成や確保が不可欠だが、その部分の対策が不十分だ。

 医療人材の養成や確保に関しては、厚労省の通知においても、各都道府県に対し、COVID-19患者への対応に必要となる研修を行うよう求めるほか、厚労省で同様の研修を実施することを検討する旨、明記している。ただ、どれだけ実効性があるものとなるのか。官の行う研修を積極的に受講して、コロナ危機が起きれば、人手不足でコロナ患者の対応に追われる病院の手伝いに駆けつける医療従事者は恐らくごく限られるだろう。

 上記の第1、第2の問題点をクリアしようとすれば、頼りとなるのは日本医師会(日医)をおいて他にないのではないか、というのが筆者の考えだ。