今回は、薬局とそこで働く薬剤師について触れてみたい。両者に関し、変わるものと変わらないものがあるな、とつくづく感じることがある。

 薬局・薬剤師をめぐる最近のトピックは、何と言っても今年9月に予定される改正医薬品医療機器等法(薬機法)の施行だろう。薬局・薬剤師には、調剤時に限らず、患者に薬を渡した後も服薬期間中は必要に応じて薬の使用状況を確認し指導することが義務付けられた。また、地域の医療機関と連携しながら在宅対応などを行う薬局や、がん治療などの高度な薬学管理を担う薬局を認定する制度も導入。患者が事情に合わせて薬局を選べるようになる。

 これらの見直しは、厚生労働省が2015年10月に策定した「患者のための薬局ビジョン」の中で掲げた新たな薬局・薬剤師像を具現化したもの。薬局・薬剤師の業務の重心を、薬剤調製などの対物業務ではなく、薬学的管理などの対人業務へシフトさせる、ずばり機能の強化が狙いだ。要は薬剤師の仕事は、処方箋を受け取って調剤薬を渡したら、それでおしまいではない、というわけだ。2006年度に大学の薬学教育の修業年限が4年から6年に延長されてから10年以上が経過し、これだけの役割を担うべきと見なされたことを意味する。

 さらに時代を遡ると、筆者は20年以上前の駆け出し記者の頃、薬局・薬剤師の取材をメインに行っていた。1992年第2次医療法改正で、医療の担い手の一員として「医師、歯科医師、看護婦」に加え、「薬剤師」が追記されたのを受けて、当時勤めていた会社の上司から医療記者として薬剤師の動向をウオッチせよとの命が飛んだためだ。その後の2006年の第5次医療法改正では、「調剤を実施する薬局」は初めて医療提供施設(医療機関)として位置づけられた。この二つの改正を経て、法的には薬局・薬剤師は医療機関・医療提供者と認められることになった。

 このように薬局・薬剤師の業務や期待される役割は大きく変わりつつある。