他国に類を見ない速度で高齢化が進む日本──。そんな書き出しから始まる文章を目にしたら、その先は暗い話になるはずと思う人は少なくないだろう。筆者もそれに続く二の句がすぐさま浮かんでくる。「高齢化の急速な進展に伴い、社会保障費は年々増加。一方、財源は確保できておらず、子どもたちの世代に負担を先送りし続けている」なんて具合だ。

 もともと日本の総人口に占める65歳以上人口の割合(高齢化率)は1950年には5%に満たなかったが、1970年に7%を超え、さらに1994年には14%を超えた。高齢化率はその後も上昇を続け、2018年10月1日現在、28.1%に達している(図1)。これは世界で一番高い。

図1●日本の高齢化の推移と将来推計(出所:内閣府「令和元年版高齢社会白書」)

 実際、主要国における高齢化率の推移は図2の通りで、日本は2005年に最も高い水準となり、今後も高水準を維持していくことが見込まれている。つまり、日本の高齢化は未曽有の誰も見たことのない社会である。

図2●世界の高齢化率の推移(出所:内閣府「令和元年版高齢社会白書」)

 では、この先、日本はどうなっていくのか。高齢者人口は「団塊の世代」が75歳以上となる2025年に3677万人に達し、その後も緩やかに増え続ける。だが、団塊世代の子どもの団塊ジュニア世代が65歳以上になる2040年に3920万人とピークに達すると、以降は高齢者数は減少に転じることになる。一方で、働き手の中心となる15歳から64歳までの現役世代の人口は2000年から減り続けており、その減少ペースは2025年以降加速する。結果、高齢化率は上昇し続け、2040年には35%を超える見通しだ。現役世代1.5人が高齢者1人を支える計算で、1人が1人を支える「肩車型」の社会に近づく。

 歯止めのきかない少子高齢化の波。このままいけば、経済の縮小、雇用の悪化、社会保障の揺らぎなど負のスパイラルが進むことになる。それゆえ、冒頭に触れた通り、日本の将来をつい暗澹たる思いで眺めてしまうのは無理もないかもしれない。