負担増を伴う抜本的な改革は行われるか

 では実際に全世代型社会保障検討会議の行方はどうなるのか。医療・介護分野に関しては基本的に予防・健康管理重視で行くのは間違いないが、気になるのは少子高齢化で社会保障費が膨らむ中、負担増を伴う抜本的な改革が行われるか否かだろう。検討会議では75歳以上の人が医療を利用したときの窓口負担や介護の利用者負担を、原則1割から2割にする案が議論の俎上に載る見込み。ただ、特に医療費の窓口負担1割から2割への変更は患者の減少に伴う医業収益の悪化で、日本医師会が強く反発するのは必至だ。それでも改革に踏み切るのかどうか。

 筆者は恐らく、何らかの形での窓口負担増はあり得るのではと踏んでいる。というのも、検討会議の議論は当面は年金・介護を中心に進み、医療を取り上げるのは来春以降で、その結論が出るのは夏の最終報告を取りまとめるぎりぎりのタイミングになるとみられるからだ。

 負担増に反発必至の日本医師会の会長選挙は来年6月下旬に行われる。今のところ既に4期目に入っている現職の横倉義武会長が再度立候補する可能性が高まっている。仮にその会長選の前に高齢者の窓口負担増が決まれば、それを許したということで横倉会長は糾弾され、再登板はままならない。そんな横倉会長と安倍首相は懇意の仲であり、横倉会長には社会保障改革の受け入れる部分は受け入れる懐の深さがあるのも事実。従って、引き続き会長職にとどまってほしいと首相が思うのも当然で、となれば少なくとも会長選の前には顔をつぶす負担増には踏み切れないが、選挙が終わってしまえば、また2年の日医・横倉体制が続くわけで、負担増カードを切りやすい。

 実際、そんな展開になるのか、しっかりウオッチしていきたい。

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