今年も8月末から経済産業省の「健康経営度調査」が始まった。回答期間は10月25日まで。残り1カ月だ。

 同調査は、国の健康経営推進の旗振り役を担う経産省が、大企業や中小企業等の法人の健康経営に関する取り組み状況を把握し、経年変化を分析するために行っているもので、今年で8回目を迎えた。調査の結果に基づき、健康経営の達成度に応じて「健康経営銘柄」(東証一部上場企業が対象で、原則1業種1社)の選定や「健康経営優良法人(大規模企業部門)」(上場企業に限らず大規模の企業等が対象)の認定が行われる。

 調査に参加し、期日までに回答した全企業・団体には評価サマリー(フィードバックシート)が送られてくる仕組み。シートには自社の取り組みに基づく総合得点のほか、項目ごとに評価偏差値などが記載されており、今後の健康経営の推進に活用できる。

 健康経営度調査は毎年、必要に応じて適宜中身が見直され、ブラッシュアップされてきたところだが、今年の見直しはひときわ目を引く。取り組みの「結果」がしっかり問われるとともに、健康経営を通じて自社のみならず、社会全体への貢献が求められているのだ。

 見直しのポイントは、(1)情報開示の促進、(2)業務パフォーマンスの評価・分析、(3)スコープの拡大──の三つ。順に見ていこう。

 情報開示の促進としては、今年の調査から、自社のフィードバックシートについて、経産省のウェブサイト上に開示してもいいかどうかを尋ねるとともに、健康経営優良法人(大規模企業部門)うちの上位500法人である「ホワイト500」の認定を受ける場合は、開示が必須要件となった。

 フィードバックシートは、いわば企業の成績表。経産省は開示により企業間の健康経営に対するさらなる切磋琢磨を促す考えだ。それだけにとどまらない。健康経営をめぐっては、近年、ESG(環境・社会・企業統治)投資の観点から投資家の関心も高まっており、健康経営優良法人の認定の有無をESGの評価基準に組み入れる動きもみられる。そのため、経産省としては、情報開示を進めて、投資を呼び込む環境整備を狙う。実際、国内外の投資家による評価・分析を促そうと、エクセルデータの掲載や英語での情報発信も予定する。