10月28日の経済財政諮問会議で、「持続可能で安心できる地域医療・介護体制を構築していくためには、地域医療構想を実現していくことが不可欠」と強調した安倍晋三首相。加えてこうも語ったという。

 「国民の皆様が元気で健康であり続けることは、暮らしの安心を確保し、活力ある社会を維持する上においての大前提。特に、40、50歳代の方々の特定健診の受診率を引き上げるなど、比較的若い年代のうちからの生活習慣病等の予防が進むよう、しっかり取り組んでいただきたい」

 首相肝煎りの政策である「健康寿命延伸」の実現に向けて、特定健康診査(以下、特定健診)の受診率引き上げを一つの方策として挙げたのだ。

 特定健診は2008年4月から始まった制度で、40歳から74歳までの公的医療保険加入者全員を対象に生活習慣病の予備軍といわれるメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群、メタボ)に着目した健診を行う。健診の結果、生活習慣病の発症リスクが高ければ、医師や保健師、管理栄養士などの専門スタッフが保健指導を実施する。

 厚生労働省が今年3月に公表した2017年度の特定健診の受診率は53.1%。制度創設時の38.9%から毎年着実に増えているものの、国が掲げる目標値「70%以上」とは依然かい離がある。

 特定健診の受診率をアップさせようと同省はこれまで都道府県や保険者別の受診率をランキング形式で公表したり、先進・優良事例を集めたハンドブックを作成したりするなどの取り組みを進めてきた。最近では患者に自発的な行動変容を促す「ナッジ理論」(関連記事)の活用にも力を注ぐ。

 首相が言う通り、特定健診の受診率引き上げは、国として取り組むべき施策であるのは間違いない。ただし、単に健診を受ければいいというだけの話ではない。健診の結果が生かされ、実際に生活習慣病の予防・改善につながることが何より重要となる。