受診時定額負担制度の導入の行方は?

 検討会議では医療制度を巡り、75歳以上の窓口負担引き上げ以外にも、患者が医療機関を外来で受診した際に窓口負担に一定額を上乗せする受診時定額負担制度の導入や、市販薬で代替できる処方薬を保険の対象に含めるかどうかなどの論点が出されている。

 このうち、受診時定額負担の導入は財務省や経済界が主導するも、日本医師会は断固反対の立場。改正健保法の附則に明記された、自己負担は最大3割という原則に反するからだ。日医の横倉義武会長は11月27日の定例記者会見で「妥協の余地がない」と明言。一方で、75歳以上の自己負担を原則1割から2割への引き上げる案については、「低所得者の方に十分配慮しながら、国民が納得できるよう十分な議論を尽くしていくべき」と、柔軟姿勢を見せた。

政府が11月26日に開催した「全世代型社会保障検討会議」を受けて記者会見する日医の横倉義武会長(写真:Beyond Health)

 となれば、年末の検討会議の中間報告には、少なくとも75歳以上の自己負担引き上げは書き込まれそうだが、話はそう簡単ではない。医師会の主張は「原則2割負担」を全面的に容認したわけではなく、一定の所得層に限っての負担増を認める方向だからだ。また、「決して結論を急ぐべきではない」との釘も刺している。

 それでも筆者の見立てとしては中間報告に、「75歳以上高齢者の自己負担引き上げ増は検討に値する」ぐらいの書き込みはなされる可能性はあるだろうととらえている。その引き換えとして年末に政府が決定する来年度の診療報酬改定の改定率は、医療機関の人件費や設備投資費に相当する「本体部分」がプラスになる公算が極めて高いと予測する。