時間切れで既存技術料を準用

 さて、今回初の保険適用となった禁煙治療用アプリについて、筆者が注目したのは、診療報酬の付け方だ。CureApp SCを使った場合に算定できる点数は、上述の通り2540点だが、厚労省によれば、その内訳は下記の二つを足し合わせたものだという。

(1)在宅振戦等刺激装置治療指導管理料の導入期加算を準用
   140点(1400円)
(2)疼痛等管理用送信器加算を準用(4回分)
   2400点(600点×4、2万4000円)

 (1)にある「在宅振戦等刺激装置治療指導管理料の導入期加算」とは、患者が自分の意思に反して手足が震えてしまう(振戦)等の不随意運動を示す際、脳深部等に振戦軽減のための装置を植え込んで指導を行う場合に、初回に限り在宅振戦等刺激装置治療指導管理料に上乗せして算定できる点数。(2)にある「疼痛等管理用送信器加算」は、在宅療養患者の疼痛除去等のために装置を植え込んだ後、疼痛管理のためのプログラムを送信する機器類を使用した場合に、在宅療養指導管理料に上乗せして算定する点数だ。

 (1)が患者への導入教育に対して算定する点数で、(2)が機器使用代に相当するわけだが、どちらも禁煙治療とは全く関係がない。それもそのはず。今回の禁煙治療用アプリの診療報酬は、厚労省の説明にある通り、これらの点数を「準用」したものだからだ。

 治療用アプリは新しい治療法のため、本来であれば保険適用における新たな分類等が必要になるとみられる。だが、今回はその議論を詰める時間的余裕はないこともあって(注:現在、慣例として、医療機器は企業が保険適用希望書を提出してから数カ月をめどに保険適用するルールが採用されている)、既存の技術料が暫定的に準用されるに至った。

 もっとも、保険適用を承認した中央社会保険医療協議会の議論では、診療・支払各側から、治療用アプリの保険適用についてのルール化を求める声が相次いでおり、次回以降の診療報酬改定において、新たな診療報酬枠が整備される公算が大きい。

 では、実際にどんな整備がされるのか。