厚生労働省は12月10日、次期診療報酬改定の基本方針を公表した(表1)。基本方針の策定を協議する場であった社会保障審議会(社保審、厚労相の諮問機関)の医療部会と医療保険部会で了承が得られたことによる。

表1●2020年度診療報酬改定の基本方針(出所:厚生労働省)

 やはり、何も変わらなかった。今年3月のあのやり取りは一体何だったのか──。筆者はやれやれと思うしかなかった。

2006年度を境に刷新された改定プロセス

 原則2年に一度行われる診療報酬改定。次回は2020年度に予定される。 

 診療報酬の決め方は、2006年度改定を境に大きく見直された。かつては中央社会保険医療協議会(中医協、厚労相の諮問機関)が絶大な権限を有しており、改定の方向性を定めて、それに基づく具体的な点数設定に至るまでを主導。改定率の決定にも大きな影響力を持っていた。

 だが、2004年4月に歯科診療報酬を巡る中医協汚職事件が発覚したのを機に、改定の基本方針は社保審の医療部会と医療保険部会が策定することになり、改定率の決定も政府の専権事項に。中医協はあくまで個別の点数設定を審議する場と位置付け直された。

 社保審での基本方針に関する議論は毎度、改定前年の9月から11月にかけて行われ、12月初旬に中味が確定するのが常で、今回も同様の展開となった。