データは活用されてこそ意味がある

 さて来年4月からこれら三つのデータベースの連結により、次のような分析も可能になるかもしれない。例えば、特定健診項目で引っかかった人が、後日、入院することになり、重症度判断の結果、こんな治療・処置を受けた。そして、その予後がどうなって、それからわずか数年後には介護の介入を受けたといった具合だ。

 なお、介護DBには、厚労省が今年4月に始めた介護保険の新たなデータベースである科学的介護情報システム「LIFE」(関連記事)で集めた情報も来年度以降加わる見込み。そうすれば、上記の例では介護の介入の結果、それを受けた利用者の状態がどうなったかまで追える。

 これら三つのデータベースについて、さる厚労官僚は「日本が誇る、世界に類を見ない医療・介護のビッグデータ」と胸を張る。確かに、網羅性があってきめ細かな情報が集積できている。「それもこれも国民皆保険制度のなせる業」(同上)だという。

 ただ、データは実際に活用されてこそ意味がある。三つのビッグデータを一体にすれば、医療と介護の総費用をもとにした最適な医療・介護の提供体制のあり方などについて研究できるようになる。それを先陣切って徹底的に行うべきは、ほかならぬ厚労省だろう。そして解析結果を政策や制度の見直しにつなげていく。

 それを実際どこまでできるのか。データという武器があっても、声の大きな医療関係団体などの勢いに押され、改革が一向に進まずじまいという未来は見たくない。

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