がん検診の流れを再編する可能性も

 日本の保健医療分野では、がん検診受診率が先進国と比較して低く、3割程度にとどまることが懸念されている。進行がんになってから治療を受ける場合、死亡率が高く、健康寿命を損なう上、治療に高額の医療費が費やされる。

 広津氏は、「めんどくさい、時間がない、費用が高い、痛い・苦しいのはいや、などといった理由で受診しない人が多いようだ。しかし、苦痛がなく低コストのN-NOSEをまず受診し、その結果、陽性なら次の段階の検査に進むようにすれば、その後の検査受診率は上がるのではないか」と期待する。毎年N-NOSE検査を受けていれば、ある時点で陽性になっても早期がんである可能性が高い。順調に普及すれば、がん検診の流れを再編する可能性もある。

 N-NOSEは幅広いがん種に対応していること、検査の苦痛がないことから、小児がんにも使える可能性がある。このため、近く、成育医療センターと共同研究を始める見通しだという。小児がんの生存率は近年、大きく向上したが、その一方で、成人した小児がん生存者が後遺症などに苦しむケースが少なくない。スクリーニングにより、できるだけ早期に発見して治療できれば、体への負担をより減らせると期待される。