日本の病院の半数は赤字で、収益は悪化傾向が続く。その中には地域医療を支える中核的な病院も含まれる。背景には医療機関の構造的な問題がある。本特集の最終回では、データ分析に基づく手法により、弱った病院を続々立ち直らせて地域の医療基盤を「再生」へと導こうと奮闘する医療経営コンサルティング会社を訪ね、医療経営のこれからについて考える。

 日本病院会が昨年末に発表した「平成30年度病院経営定期調査」によると、調査対象となった約1000病院のうち6割が医業収益で赤字。前年よりも赤字幅は拡大していた。医療機関の経営を大きく左右するのは、医業収入のうち3分の2を占める入院収入である。その収入は端的に言えば、在院日数と患者数の掛け算で決まる。

 だが、国民医療費が40兆円を超えて、財政が圧迫される中、国は入院医療費の削減をターゲットにしており、もはや入院収入を当てにした医療経営は限界に達している。結果、病院にとってはこれまでの収益モデルはもはや崩壊しているといえるかもしれない。

 苦境にある医療機関の経営をどう再生していくべきか。これまで以上に、日本の医療機関の経営者が直面する最優先課題となる。それを解決するのは、従来の考え方をいったんリセットし、新しい考え方からアプローチしていくことも求められる。そこには、やはりディスラプティブイノベーションの動きを見てとることができる。

 米国の医療経済学をひっさげ、病院の構造改革を進めている会社、グローバルヘルスコンサルティング・ジャパン創業者のアキよしかわ氏は、「病院の経費は固定費のウエートが高いため、患者1人当たりの固定費を小さくすることで経営を改善させることになる。これまではベッドを満床にし、入院日数を増やすことで対応してきたわけだが、今日ベッド数は既に余剰であり、在院日数もむやみに延ばせないとなり、限界に来ている」と説明する。