これからの人生を後遺症と共に生きていくために

 キャンサーフィットネスでは、がんサバイバーにとって必要な知識を学ぶ場も提供している。各分野の専門家を招いて講義を受ける「ヘルスケアアカデミー」ではがんサバイバー向けの健康管理や、体力作りの方法、心身のセルフケアなどを学ぶことができる。また、昨年からスタートした「リンパ浮腫患者向けスクール」は自分自身がリンパ浮腫に悩まされた広瀬氏の肝煎りのプログラムだ。  

 「患者はこれからの人生をリンパ浮腫という後遺症とともに生きていかなければならないが、どこで治療をしたらよいのかを含め、リンパ浮腫のケアの情報が不足している。“リンパ浮腫の情報難民”になっている人も多く、日々の生活で困ったことが起こるたびに、何をどう判断していいのか分からずに悩んでいる。そんな自分自身の経験も踏まえて、プログラムを開発した」 

昨年春から始まったリンパ浮腫患者スクール。運動療法など、20講座を配信している(写真提供:キャンサーフィットネス
昨年春から始まったリンパ浮腫患者スクール。運動療法など、20講座を配信している(写真提供:キャンサーフィットネス
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 プログラムの監修はキャンサーフィットネスの顧問である慶應義塾大学医学部リハビリテーション教室教授の辻哲也先生。広瀬氏自身の体験をもとにした、セルフケアの方法論も組み合わせた。  

 「リンパ浮腫を悪化させないための注意事項がいろいろとあって、日常生活でそれを気にするあまり、気が滅入ってしまう人も多い。しかし、セルフケアを習得すれば挑戦できることが増えて、QOLが向上する。私はトライアスロンにも挑戦した。運動後は確かにむくんだが、きちんとケアしたら元に戻ったので、その方法さえ知っていれば怖くないと思った。むくみを恐れて何もしないよりは、自分の好きなことに挑戦する前向きな生き方を選択したいし、受講生の皆さんにもそのことを伝えたい」