「お酒を飲むと、ちょいモレが気になる」
「ズボンのシミが気になって席を立てなかった」

こうした悩みは珍しいことではなく、40代男性の約3人に1人、50代男性の約2人に1人が軽度な尿失禁(ちょいモレ)を経験している。しかし、症状が症状だけに、なかなか周囲には話しづらい。加齢による身体的変化を認めたくない心理もあるだろう。

男性用尿ケア用品を扱う王子ネピアのパーソナルケア・イノベーションセンター企画開発部部長の山手孝一氏に、昨今の“ちょいモレ対策事情”を聞いた。

 ちょいモレと一口に言っても、原因や程度は人それぞれ。たとえば、「過活動膀胱」は膀胱に尿がたまる前に尿意を感じる症状で、トイレまで我慢できないと漏れてしまう。また、「腹圧性尿失禁」は笑ったときなどにはずみで漏れる症状で、女性に多いとされる。そして、40~70代の男性に多いのが「排尿後尿滴下」。排尿のあと尿道に残った尿が漏れる症状を言う。

図1●尿に関する症状について男性にアンケートをとったところ、「尿のキレが悪く、排尿後に漏れてパンツにしみる」との回答が78%と最多だった(出所:王子ネピア)

 男性は構造上、尿道が長く尿が残りやすい。加えて、膀胱の下にある尿道括約筋は加齢により筋力が低下する。いうなれば水道のパッキンがゆるんだ状態だ。その結果、水撒き後のホースから水がぽたぽたと垂れるように、排尿後に尿が出てしまう。山手氏によれば「この症状を気にしている男性は多い」ようだ。

 「40代以上ならトイレで尿を出し切るまで待った経験があるのでは。自宅のトイレではそれでいいが、外のトイレだと長く待つのも気恥ずかしいし、個室を占領するのもはばかられるから手早く切り上げたくなる。そうすると歩き出したときに『あっ』となる。この現象は珍しくないが、老いや衰えのイメージがあるせいか、男同士でも相談できないのが現状」