目指すは障害の有無に関係なく誰でも履けるボトムス

 “車いすでランウェイ”という目標はゆるぎないが、だからと言って、車いすユーザーだけを対象にしたコレクションを披露するつもりはない。他のコレクションと同じく、多くの人に夢や憧れを与え、創造性に満ちたショーを目指す。

 「車いすで登場するだけではマイナスがゼロになるだけで、それならば自分たちがやる意味はない。挑戦する以上はマイナスをプラスにするべく、車いすだからこそカッコよく、健常者が『自分も着たい』と思えるような、障害の有無に関係なく最先端のファッションを提案する」

巻きスカートのような形状のボトモール。ウエスト部分は着脱しやすいようにマジックテープを採用したほか、車いすに座った状態でも丈が短くなり過ぎないように前下がりに設計。デザインは男性でも違和感なく履けるように複数の色の布地を組み合わせたほか、プリーツ加工のパーツも入れて袴のようなテイストに仕上げた(写真:武藤奈緒美、以下注記のないものは同)
巻きスカートのような形状のボトモール。ウエスト部分は着脱しやすいようにマジックテープを採用したほか、車いすに座った状態でも丈が短くなり過ぎないように前下がりに設計。デザインは男性でも違和感なく履けるように複数の色の布地を組み合わせたほか、プリーツ加工のパーツも入れて袴のようなテイストに仕上げた(写真:武藤奈緒美、以下注記のないものは同)
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 そのために開発したのが「bottom’all(ボトモール)」だ。巻きスカートのように一枚の布を腰に巻き付けてまとう。車いすユーザーが「オシャレは好きだが、車いすだと試着室に入れないことがあるし、仮に入れても人の手を借りないと着られない。自分のオシャレという欲求のために人の手を煩わせるのが嫌だから、オシャレは封印した」と話したことに着想を得た。

 「誰でも簡単に脱いだり着たりできるアイテムをつくろうと考え、教育大学の准教授に相談した。ゼミ生や卒業生も交えて意見交換するなかで出てきたのが巻きスカートのアイデアだった。ただ、いまの日本社会ではスカートは女性のものという固定観念があり、男性が履くのはハードルが高い。ある学生は、問題はネーミングではないかと指摘した。今回我々がつくろうとしているのは男性も女性も関係なく着用できるもの。もちろん障害の有無も、年齢も関係ない。それで、全員(オール)が着用できるボトムスという意味で、ボトモールという名前を付けた」