青色や黒色のあざが現れる太田母斑や色素が抜けたようになる白斑、火傷や事故による外傷など、皮膚変色および皮膚障害に悩まされる人は少なくない。皮膚の厚みはわずか数ミリだが、外見に与える影響は大きい。そんな自分に自信が持てず内向的になったり、悪気はなくとも奇異な目を向けられたりして心に深い傷を負う人もいる。
そんな悩みを抱える人々専用のメイクアップ製品がある。一般的な化粧品とはカバー力が格段に違い、気になる皮膚の色をキレイに隠すことができるという。自らも皮膚の変色に悩み、カバー効果の高いメイクアップ製品に助けられたという特定非営利活動法人メディカルメイクアップアソシエーション(MMA)事務局長の小井塚千加子氏と、銀座センターインストラクターの長尾陽子氏に、その活動内容を聞いた。
まずは実際にメイクをしている写真を見てほしい。モデルはMMA事務局長の小井塚氏だ。
小井塚氏は幼少期より顔の右半分にある青黒いあざに悩まされてきた。太田母斑だ。12歳のとき、大学病院に行って治療をしたいと相談したところ「痕が残る可能性があるので、メイクで隠す方がよいのでは」と医師から提案され、高校卒業時にメディカルメイクアップを始めた。
「毎日毎日、母斑のことで思い悩んでいたが、メイクアップをすれば、そのことを忘れられて堂々と人前に出られるし、自分を表現することができるようになった」(小井塚氏)