カバーすることで「気になる」を解決できる

 このように使い方に特徴があることから、MMAでは全国の病院などを回ってメイク技術の指導を行っているほか、東京と大阪にセンターを常設し、無料カウンセリングを行っている。勤務するインストラクターは全員、皮膚変色や皮膚障害に悩んだ経験がある、いわばメディカルメイクアップの先輩だ。

 MMA銀座センターでインストラクターを務める長尾氏は大学生のときに火傷を負い、顔や上半身に痕が残った。形成外科の医師からメイクという方法があることを教わり、ある店を訪ねたところ「とにかくたくさん塗られて驚いた」。もっと良いメイクアップ製品があるはずだと探すなかで、長尾氏はメディカルメイクアップの講座に出合う。製品の良さはもちろんのこと、同じ悩みを持つ人たちに寄り添いながらメイクアップ技術を伝える姿勢に惹かれて、自らもMMAのインストラクターになった。

角層に色素を沈着させるダドレス。気になる部分に丁寧に塗布することで、数日間から1週間はその部分が染まり、白斑を目立たなくする(写真:早川 マナ)

 センターを訪れるのはメイクに関心がある若い女性とは限らない。先天性皮膚疾患の乳児を連れた母親、母斑を持つ少女の将来を心配する祖父母と両親、成長と共に白斑が現れて悩む男子高校生、首筋の白斑のせいで大好きなダンスをあきらめた女性、皮膚変色をカバーして人生を謳歌したい高齢者まで、年齢も性別もさまざまだ。ある親子は「うちの子どもは日々明るく過ごしているし、外見で悩んでいるようには見えないが、将来に向けていろいろな選択肢があることを伝えたい」とセンターにやってきた。しかし、カウンセリングのなかで、その子どもは「ホントは気にしているけれど、親が心配するから悩んでいないふりをしていた」と打ち明けた。

 「あざや傷跡があると、その部分を見られていると感じるもの。たいていの場合は本人が気にするほど、他人は気にしていない。他人から見られてもまったく気にならない人もいる。でも、他人の視線が気になる人にとっては、ファンデーションで隠すことで安心感が得られる。私もそうだった」(長尾氏)

 ファンデーションはメイクしたその日だけのものだが、白斑や脱色素で悩む人には角層に色素を沈着させて目立たなくする化粧水ダドレスも提案する。ダドレスは、新しい皮膚が作られると表面の角層が剥がれ落ちるターンオーバーの仕組みを生かした製品で、角層が剥がれ落ちるまでの数日間から1週間ほど効果が続くため、日常的にメイクの習慣がない男性や子どもにも使いやすい。小井塚氏は「症状や悩みは人それぞれ。気軽な気持ちでセンターにお越しいただきたい」と語る。

(タイトル部のImage:udra11 -stock.adobe.com)