試験以外でアピールできる若者を増やしたい

IABの活動に参加する高校生を見てどのように感じますか。

 全国の高校生が自由研究を競う「高校生バイオサミット in 鶴岡」は2019年で9回目になりますが、いつも賞を獲る、いわゆる“強豪校“が出てきました。学校ぐるみで自由研究を応援しているのだと思います。一方で、3年生になったら受験勉強に集中させる進学校も多いです。自由研究をやる時間があったら入学試験の準備をしろと。いくら研究活動をしても大学の一般入試には役に立たないですから。

 私たちが高校生向けの活動を続ける意義というのは、試験の点以外のところで自分をアピールして世の中を渡っていく若者を増やしていきたいということなのです。

 もっと多くの子どもたちが自分の得意技を磨いて、AO入試を目指すべきと思います。スポーツでも芸術でも科学でも何でもいいから、好きなこと得意なことを一度目いっぱいやってみる。うまく結果が出た人はそれを高校でもっと磨いて、第1志望から4志望までAO入試を受ける。うまく結果が出なかった生徒は普通に勉強をして、一般入試で大学を受験したらよいと思います。

 しかし、AO入試はリスクが高いと思われているので、多くの高校生は普通に一般入試の受験勉強をします。だから得意なことを一生懸命やって結果を出して、それをアピールしようという高校生はほとんどいない。でもそういう生徒がもっと増えれば日本も変わると思います。

バイオサミットのほかにも、アストロバイオロジー(宇宙生物学)をテーマにしたキャンプなどユニークな活動をされていますね。

Keio Astrobiology Campの様子(出所:慶應義塾大学先端生命科学研究所)

 今の高校生には、自由研究の結果を発表する機会が少ないと考えています。機会が増えれば、皆にもっとチャンスが来る。こういう機会をたくさん作っていきたいと思っています。

 バイオサミットに参加されると分かりますが、ものすごくレベルが高いです。初日の予選で3分の1に絞られ、それ以外は決勝に進出できないのですが、悔しくて泣いている生徒もいます。まさに甲子園ですよ。そんな真剣な生徒たちのために、審査過程も納得できるように真剣かつガラス張りでやっています。