5月に新サービス発表、その優位性とは…

 メタジェンは、2019年5月に次世代腸内環境評価・層別化サービス「MG Navi」を発表した。このサービスには、同社の腸内環境評価キット「MGキット」を用いている。

メタジェンが開発した腸内環境評価キット「MGキット」(出所:メタジェン)

 このMGキットの最大の特徴は、薬剤を用いずに、常温で便中の腸内細菌叢遺伝子や代謝物質を保存することが可能であり、また生きた腸内細菌も分離可能なこと。便の中に含まれている腸内細菌は生きているため、時間を追うごとに代謝活動を行い変化してしまう。これまでは、腸内細菌の遺伝子や代謝物質を解析するために、採取した便を冷凍して保管していた。しかし今後、腸内環境評価を社会実装するためには、一般ユーザーが自宅の冷凍庫に便を保管するというのは、仮に密封した状態であったとしても抵抗感が大きい。そこで「採取した便中の腸内細菌が常温でも変化しない技術を、3年かけて開発した」(福田氏)というわけだ。

 同キットを用いることで、便検体の腸内細菌叢の遺伝子や代謝物質から、腸内細菌の種類やバランス、さらにはそれらの菌がどのような働きをしているのかが分かるようになる。独自の腸内環境データベースおよびAI(人工知能)システムを用いることで、ユーザーの腸内環境の特徴に関するデータをはじめ、大腸がんなどのいくつかの疾患について、疾患時の腸内環境との類似度などを評価し、行動変容を促すための適切なフィードバックをするのが、メタジェンが提供する「MG Navi」である。

 他社に対するメタジェンの優位性は、メタゲノミクス(遺伝子解析)とメタボロミクス(代謝物質解析)の両方を用い、統合的に解析していること。特にメタボロミクスまでを実施することは他社では難しい。代謝物質には、例えば水に溶けるものもあれば、油に溶けるものもあり、それをどのように便から抽出し分析するかという課題がある。メタジェンではIABと連携して便の前処理技術を開発したり、また先に挙げた採便キットを独自開発したりすることで、腸内環境のメタボロミクスまでをも可能にした。

 さらに、膨大な腸内環境データが出てくることから、ビックデータの情報解析(バイオインフォマティクス)も重要である。この領域では、東京工業大学准教授の山田拓司氏が、メタジェン副社長兼CTO(最高技術責任者)として主導している。メタゲノミクス、メタボロミクス、バイオインフォマティクスのすべての要素が揃って初めて、腸内細菌を含む腸内環境全体の網羅的な解析とその理解が可能になるというわけだ。