価格変動リスクには注意が必要

 実際の投資に当たっては注意点もある。価格変動リスクがあることだ。図2の赤線は、2015年3月を100としてヘルスケア&メディカル投資法人の価格の推移を示したものだが、2017年には当初価格から40%以上下落した局面もあった。

図2●ヘルスケア&メディカル投資法人の株価と東証REIT指数の推移
2015年3月を100として指数化。赤線=ヘルスケア&メディカル投資法人、青線=東証REIT指数(図:ヘルスケアアセットマネジメントの資料を基にBeyond Healthが作成)

 2015年から2016年において、青線のREIT全体の値動き(東証REIT指数)を超えて価格が下落、その後の反発が立ち遅れたことも見逃せない。その理由について木村氏は「当時、中国株が暴落した『チャイナショック』によって不動産市況が大きく落ち込みました。その後の回復期において、大型物件を中心としたREITは賃料の値上げなどが期待できました。しかしヘルスケアREITは1物件当たり10億〜20億円程度と比較的規模が小さいため、他リートに比べ成長性の点で見劣りし、また賃料も長期固定契約のため成長が限定的である点が懸念され、パフォーマンスに差が生じたのだと思います」と分析する。

 一方で、賃料の長期固定契約は、景気の波に左右されにくく、安定したパフォーマンスを期待できることと裏腹だとも言える。また、「2017年7月末を起点とした株価は、東証REIT指数を上回って推移している」(木村氏)。過去の一時期の実績だけで優劣を判断するのは、早計と言えるかもしれない。

 同REITについて木村氏は、「近い将来団塊世代が75歳以上となり、少子化で親の介護の担い手が減っていくことを考えれば、介護施設への需要は今以上に高まるはず。もちろん当REITもこれまでの運用のノウハウを活用し、引き続き高い目利き力で取得物件を選別していく方針です。投資口価格も投資家の『ESG投資指向』の高まりという追い風もあって、これまで以上に株価の底堅さが期待できると考えています」と話す。

(タイトル部のImage:peshkov -stock.adobe.com)