HAL(ロボットスーツ)が注目のサイバーダイン

 3社目は、ロボットスーツ「HAL」(ハル)を用いた機能改善・機能再生療法を展開しているサイバーダイン(証券コード:7779)。人が体を動かそうとする時、脳から筋肉に神経信号が伝達されることで、関節などの筋骨格系が動く。HALの仕組みはこの応用だ。例えば、疾患で足が動かない患者が「動かしたい」という動作意思を示すと、この意思が反映された微弱な“生体電位信号”が皮膚表面に流れる。HALは生体電位信号を読み取って、パワーユニットをコントロールし、患者と一体となって関節の動きをアシストする。同社は、脊髄損傷や脳卒中、神経筋疾患の患者に、このロボットスーツを装着することで機能の改善を促す。繰り返し訓練(治療)することで、最終的にはロボットなしに動かせるようになる。

 HALはまず、2013年にドイツで機能改善治療として労災保険の適用が認められた。日本では2015年11月に医療機器としての承認を取得し、2016年4月から薬価収載が認められた。その後、欧州、米国などでも治療機器としての承認を取得し、運動機能を改善する効果が認められた唯一の医療機器として治療に使われている。

 医療用で培った技術を一般用に展開しているのが作業用のHALだ。腰に装着し、重い荷物などを持ち上げようとする時にHALがアシストすることで軽く持ち上げることができる。重量物を持った時に、腰にかかる負担を減らすことで、腰痛のリスクが軽減できる。建設現場の職人の高齢化は深刻。また、介護の職場でも要介護者の移動は身体的な負担が大きい。こうした職場などでの活用が進んでいる。同社ではリース形式で提供している。業績面では営業損益の赤字が継続しているが、生産数が増えていけば黒字転換も遠くないと見られる。