スマートホームの成長課題

ZEH(ゼロエネルギー住宅)やIoT住宅など、次世代の住まい「スマートホーム」への取り組みも加速しています。ヘルスケアの分野では、積水ハウスが開発したHED-Net(在宅時急性疾患早期対応ネットワーク)が注目されます。

 そうですね。年間約7万人が自宅で命を落とすと言われ、これは交通事故の死者(2020年は2839人)よりはるかに多い数字です。

 例えば、ヒートショックで脳梗塞を発症した場合、今はt-PA療法という血栓を溶かす効果的な治療法がありますが、発症後4時間半以内に治療を開始する必要があります。発症者を自動感知し通報するHED-Netはこうした対策に大変有効ですが、現時点では利用者が限定されるハイエンドなユーザー向けの商品という印象です。ヒートショック対策として各社が注力しているのは断熱性を高めることで、LIXIL(リクシル)の二重サッシ「インプラス」などが販売数を伸ばしています。窓枠もアルミから断熱性の高い樹脂への移行が進んでいます。

スマートホームを目指したイノベーションは、今後の成長ドライバーになり得ますか?

 課題もあります。住宅業界には、確かに積水ハウスのようにイノベーションに前向きな企業はあります。しかし、全体で見ると多数の工法が存在する中で絶対的な存在はなく、ハイテク技術を除けば、特定の工法がイノベーションで勝ち残るという図式は考えづらい。施工業界は裾野が広いので、突出したイノベーションが起きにくいというのがジレンマです。

 また、住宅はコスト面での配慮が欠かせません。グレードやオプションを追求すればコストが吊り上がるばかりです。購入者は価格と性能のバランスを取りながら、予算の範囲内に収めていく必要があることは忘れてはなりません。

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