ドラッグストアの成長が続いている。全国401社の2019年度の総売上高は約7兆7000億円で、コンビニの7割ほどに拡大。成長の牽引役として、調剤事業や食料品販売などに注目が集まる。一方、マツモトキヨシHDとココカラファインで経営統合の協議が進められるなど、業界再編の動きも見られる。ドラッグストア業界で今何が起きているのか? JPモルガン証券の村田大郎シニアアナリストに聞いた。
新型コロナウイルスの感染拡大により日本企業が業務の遂行や業績に影響を受けている中、ドラッグストア(以下、DS)は快進撃を続けています。
小売セクターでは、外食や百貨店などがコロナ禍で深刻な影響を被った一方で、食品スーパーやディスカウントストアなどは緊急事態宣言による外出自粛が追い風となり売り上げを伸ばすなど、二極化が鮮明になっています。中でも、一番の“勝ち組”がDSと言えるかもしれません。
とはいえ、DSの中でも濃淡があります。好調なのは、郊外や住宅地に比較的大型の店舗を展開し、薬やヘルスケア用品の他に食品を販売したり、調剤薬局を併設したりしているチェーンです。都市型店舗が中心で、インバウンド向けの免税品や化粧品の販売に強みを持つDSは苦戦を強いられています。
企業別に見ると、どうなっていますか?
好調組の代表がコスモス薬品やクスリのアオキホールディングス(以下、HD)、ウエルシアHDなど。苦戦組はマツモトキヨシHD、ココカラファインなどです。ツルハHDとスギHDは都市部店舗の不振を郊外店の売り上げ増がカバーして、ネットではやや恩恵が出ている状況です。