業界再編の速度は緩やか

ドラッグストアの成長のリスク要因は何でしょう?

 大手7社は各社が年間100店舗前後のペースで新規出店を行っています。日本のDS市場は米国と違って、企業淘汰のスピードが緩やかなので、そう遠くない将来に競争が激化し、十分な利益が確保できなくなる可能性があります。十分な売上高・粗利が取れなくなると、人件費や家賃、手数料、物流費などのコストが重くのしかかります。2021年前半は、前年のコロナ恩恵の反動で各社の利益率が落ちる可能性があります。

そうした中で業界再編がどう進むのか、気になるところです。

 ウエルシアHDやツルハHDなどM&Aに積極的な企業は、買収を繰り返しながら規模を拡大してきました。ただし、これまでの「上場企業が小さな未上場企業を買う」という図式は、未上場企業の価値の高騰で難しくなっています。かといって、大手同士の合併も想定しづらい。大手には創業オーナー一族なりしっかりした経営陣がいて、業績好調でバランスシートも強い今、あえて他社と一緒になる理由が見当たらないからです。統合や再編自体は進むと思いますが、時間がかかるでしょう。

2021年10月の経営統合を目指すマツモトキヨシHDとココカラファインは、業界初の大手同士の合併案件です。共に“コロナ苦戦組”ですが、影響はないのでしょうか?

 むしろ、統合によるシナジー効果を生み出す必要性が高まったという見方もできます。ココカラファインは収益力が課題ですが、マツモトキヨシHDとの統合で収益体質の改善が期待されます。具体的には、PBを含む商品仕入れ統合によるスケールメリット、デジタルを活用した販促などです。