会社設立から10年目に当たる2019年12月、東証マザーズに上場したメドレー。「医療ヘルスケアの未来をつくる」ことを掲げる同社の事業の2本柱は、(1)医療・介護分野の求人サイト「ジョブメドレー」を運営する人材プラットフォーム事業と、(2)オンライン診療システムの提供を中核とした医療プラットフォーム事業だ。メドレーの共同代表で代表取締役医師である豊田剛一郎氏に、それぞれの事業戦略と将来について話を聞いた。

代表取締役医師の豊田剛一郎氏。1984年生まれ。東京大学医学部卒業。脳神経外科医として勤務後、米ミシガン小児病院で脳研究に従事。マッキンゼー・アンド・カンパニーを経て、2015年2月にメドレー共同代表に就任した(写真:川田 雅宏)

 「医療業界では慢性的な人材不足が続いています。しかし、人を採用するには手間もコストもかかり、中小の事業所では、それが大きな負担になっているケースも少なくありません。相場より割安な価格で採用ができるプラットフォームを提供することで、課題を解決しようというところからメドレーの事業はスタートしました」と豊田氏。

 事業の柱の一つである(1)の求人サイト「ジョブメドレー」を立ち上げるに当たって着目したのは、医師、薬剤師、看護師以外の職種だ。この3職種は人材獲得競争が激しく、紹介会社が乱立している。採用側は、獲得した人材の年収に応じた手数料を紹介会社に支払うのが一般的だが、人材紹介にかかる手間を考えると、年収の高い職種でなければビジネスとして成り立たないと考えられていた。しかし、ジョブメドレーが扱う職種は50種以上。求人の年収のばらつきは大きく、正社員だけではなく契約社員やパートタイムなどの求人案件も扱っている。