2020年3月、日本でも5G(第5世代移動通信システム)が始まった。「超高速大容量」「超低遅延」「同時多数接続」という特徴を持つ5Gは、多くの産業や企業において新市場の創出やデジタル変革(デジタル・トランスフォーメーション)が期待されている。

 今後訪れるであろう5Gが社会基盤となる世界について、「アンビエント・コンピューティングが高度化した世界」と端的に表現するのは、アビームコンサルティングでディレクターを務める福田克彦氏だ。

 具体的には「ただそこにいるだけで、もしくは何かをしているだけで、その人の属性や状況に応じたサービスの提供を受けられるようになる」(福田氏)世界である。アンビエントの意味は「周囲の」「環境の」であり、そこからアンビエント・コンピューティングとは、環境そのものがコンピューターとして機能する世界を指す。

アビームコンサルティングの福田氏(出所:アビームコンサルティング)

 これは、まさに社会のあらゆる場が医療・ヘルスケアの中心地になる「ソーシャルホスピタル」の概念そのものだ( 関連記事)。医療ヘルスケア領域におけるアンビエント・コンピューティングの実装形態を考えると、「普段どおりの生活を送っているだけで健康情報が収集され、その時々の体調に応じて適切な食事や運動メニューが提供される」「バイタルデータに関して、あるしきい値に達しそうな予測が出たときに、即座に病院に行くことを促してくれる」といった世界観である。