8K内視鏡の国プロにも5G

 8K技術で得られる内視鏡手術映像の「拡張現実感」を、5G回線を介して遠隔地にいる専門医に伝送し、リアルタイムで手術支援を受けられるようにする――。

 そんな試みも始まっている。国立がん研究センター、NHKエンジニアリング、オリンパスの3者が、2020年2月3日に発表した腹腔鏡手術の遠隔手術支援プロジェクトである(関連記事:8Kの医療応用、国プロ第2弾が始動)。

NHKエンジニアリングシステムとオリンパスがそれぞれ専用に開発した8Kカメラとスコープ(出所:両者のプレスリリース)

 3者は、2016~2018年度にかけて日本医療研究開発機構(AMED)の「8K等高精細映像データ利活用研究事業」で8K技術を用いた腹腔鏡手術システムの試作機を開発し、実用化に向けた取り組みを行ってきた。8K腹腔鏡システムで見える映像は開腹手術の際に肉眼で見るものに近く、あるいはそれ以上に鮮明だとも評価されている。その高精細映像を5Gで伝送し、そのまま再現することで、より精度の高い手術支援を実現しようというわけだ。

 開腹手術に比べ侵襲度の小さい低い内視鏡によるがんの外科手術の需要が拡大する一方で、専門医の不足や地域的な偏在が顕在化している。遠隔内視鏡手術支援が可能になれば、こうした課題解決にも寄与できる可能性がある。