高血圧予防・降圧に対する科学的根拠の補強に期待

 分析結果からは、「血圧に対する室温の影響は小さくなく、室温が安定すると血圧の季節・日間・日内変動が縮小する」といった実体がみえてくる。逆に「不安定な室温環境においては血圧変動が大きくなり、循環器疾患のリスクが高まる」と研究グループは指摘。住環境の断熱化は、循環器疾患の予防上重要であると結論づけている。

 日本高血圧学会による「高血圧治療ガイドライン2019」では、高血圧予防・降圧のために修正すべき生活習慣について、いくつかの項目を挙げている。減塩や禁煙などの項目は高いエビデンスレベルを示しており重要視されている一方、防寒・暖房といった室温環境の血圧への影響は低いエビデンスレベルに留まっている(下図)。

高血圧治療ガイドライン2019に示された「高血圧予防・降圧のために修正すべき生活習慣」をまとめたもの。「防寒・暖房」といった住環境に関する項目はエビデンスレベルと推奨グレード共に低く設定されている
高血圧治療ガイドライン2019に示された「高血圧予防・降圧のために修正すべき生活習慣」をまとめたもの。「防寒・暖房」といった住環境に関する項目はエビデンスレベルと推奨グレード共に低く設定されている
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 研究グループは、「この調査研究が今後、室温環境の安定による高血圧予防・降圧の科学的根拠を補強するものになる」と期待しているという。

(タイトル部のImage:jozefmicic -stock.adobe.com)