施設側がデメリットを感じないビジネスモデル

 施設側が提携のデメリットを感じないように、ビジネスモデルには工夫を凝らす。

 一つは、サービス利用料をゼロに設定できる点だ。提携施設側が利用者から受け取る料金にはサービス利用料と飲食料金の2種類がある。サービス利用料はクレジットカードでの決済時にいったん「NINJA SPACE」側が受け取り、システム利用料を差し引いた後、提携施設側に振り込む仕組みだ(図3)。サービス利用料をゼロにするということは、利用者からは飲食料金だけを受け取るということ。この場合、「NINJA SPACE」へのシステム利用料は発生しない。

 もう一つは、「NINJA SPACE」用に席を確保しておく必要がない点だ。提携施設側はタブレット端末やスマートフォンに施設側専用アプリをダウンロード。利用者からマッチング希望を受けたときに、自動または手動で対応する。施設内が混雑してきた段階で手動対応に切り替えれば、施設内の様子を基に希望を受け入れるか否かを判断できる。

図3●「NINJA SPAECE」のビジネススキーム案。「NINJA SPACE」側は、利用者が決済する「サービス利用料」から「システム利用料」を差し引き、その残額を「スペース提供料」としてスペース提供者側に支払うことになる<br>※三菱地所・三菱地所プロパティマネジメント作成の資料と取材を基に作成
図3●「NINJA SPAECE」のビジネススキーム案。「NINJA SPACE」側は、利用者が決済する「サービス利用料」から「システム利用料」を差し引き、その残額を「スペース提供料」としてスペース提供者側に支払うことになる
※三菱地所・三菱地所プロパティマネジメント作成の資料と取材を基に作成
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(写真:川田 雅宏)
(写真:川田 雅宏)
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 那須井氏は「提携施設は利用者を通常の顧客と同じ感覚で受け入れることができる」と、「NINJA SPACE」の持ち味を強調する。さらに大丸有地区の開発や運営・管理を担う三菱地所と三菱地所プロパティマネジメントが、地区内のオフィス就業者や飲食店との間でネットワークを築けている点も、サービス展開上の強みと話す。

 提携施設の拡充に向け、目下、営業活動を展開中だ。「ビジネスモデルの工夫が評価され、反響は上々」と那須井氏。大手カフェチェーンからの問い合わせもあるという。集客に課題を抱える個店に頼りにされそうなプラットフォームではあるが、将来は大手カフェチェーンとも手を組む可能性が見込まれる。

 2021年4月以降は、大丸有地区でのサービスを続ける一方で、提供エリアを広げる予定だ。「横浜や池袋など、横浜ランドマークタワーやサンシャインシティといった当社の強みがあるエリアを中心にじわじわ広げていきたい」(那須井氏)。