「調剤師」と呼ばれることを何より嫌うオーガマン

 大賀社長が目指す薬育の普及は、何も自薬局だけの取り組みにとどまらない。「やくいく手帳」は「ドゲンジャーズ」の劇中にも登場しているため、テレビ放送やネット配信開始を機に全国の薬局から設置について問い合わせが寄せられるようになった。そこで、大賀薬局の監修で、オーガマンの薬育手帳を発展させた番組オリジナルの薬育手帳を作成し、希望する全国の薬局へ約100万部を無償で配布。裏表紙に協賛企業の広告を入れることで、制作・配送費を賄っている。

 ところで、オーガマンは「調剤師」と呼ばれることを何より嫌う。医師の指示のまま調剤するのではなく、医師と対等に話せる薬剤師であり、地域の人にとってより身近な「健康のスペシャリスト」であるとの自負からだ。

 今年1月には、オーガマンは、福岡市幼稚園連盟を通じて、オリジナルで作成した「けんこうDVD」を福岡市の幼稚園117園に無償提供した。このDVDは、新型コロナウイルスやインフルエンザの感染予防に向けた、手洗い・うがいの正しい方法や、薬の正しい飲み方をオーガマンがわかりやすく説明したものだ。

 健康のスペシャリストとしての活動の場を広げるオーガマンに対し、福岡市も業務を委託。新型コロナウイルス感染症予防のメッセージ発信をオーガマンに託し、それを市のホームページやSNS上で紹介するプロジェクトが今年3月にスタートした。情報発信は7月末までを予定する。

オーガマンポーズをとる大賀社長
オーガマンポーズをとる大賀社長
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 オーガマンの活躍はついに国境を越え、既に海外進出も果たしている。マレーシアのテレビ局が今月3日から、ドゲンジャーズ第1シリーズの放映を開始したのだ。マレー語の吹き替えで、折に触れ、薬育の大切さが説かれている。

 「将来はオーガマンのようになりたい」──。大賀社長によると、テレビ番組やショーを通じて、子どもたちからはそんな声も多く寄せられるという。彼らが大人になって活躍したら、残薬問題が解消し、日本の医療財政が好転する可能性は十分ある。そう、薬剤師のヒーローが日本の医療を救うのだ。決して夢物語ではないだろう。

(タイトル部のImage:jozefmicic -stock.adobe.com)