需要の二極化とABWへの対応

オフィスビルの需要に関し、最近はどのような傾向が見られるのでしょう?

 大きな流れとして、「二極化」が挙げられます。

 都心にあるハイスペックなプレミアム物件は、コロナ禍でも根強いニーズがあり、利便性の高い都心の主要駅周辺の物件が選好されています。

 一方、郊外のターミナル駅周辺にあって、100坪を超えないオフィスビルも安定的なニーズが認められます。テナントは主として中小企業ですが、業績不振などによる退去があったとしても、床面積がそれほど広くないため、埋め戻されやすいのが特徴です。

 苦戦を強いられているのが、これらに属していない「二極化の中間に位置するオフィス」で、こうした傾向は今後も続くと見ています。

 とはいえ、これらが在宅勤務の拡大によるオフィス縮小によるものかと言えば話は別です。REITのオフィスビルでも、コワーキングスペース向けの貸し出し面積が増えるなど、ワークプレースの多様化による変化は出ており、ABW(Activity-based working=時間と空間を自由に選択する働き方)への対応も話題に上ります。

 しかし、「どうあるべきか」という問いに対しては、オーナーも、テナント企業も、明確な答えを持つに至っていないように思います。現在のREITは、将来像を模索している段階であり、適切なモデルをつくる知見を蓄積しているというのが実態ではないでしょうか。

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