Beyond Healthは、「健康で幸福な人生100年時代を可能にする」社会を描くためのビジョンとして「空間×ヘルスケア 2030」を提案している(関連記事:目指すは「空間×ヘルスケア」の社会実装)。

同プロジェクトではこれまで、住宅・オフィス・薬局の未来像を描いた「Beyond Home(未来の住宅)」「Beyond Workplace(未来のワークプレイス)」、そして「Beyond Pharmacy(未来の薬局)」について、2030年に実現を目指す空間イメージをイラストで分かりやすく表現した未来の旗(Visionary Flag)として掲げてきた。

「空間×ヘルスケア2030」では今回、「Beyond Mobility(未来のモビリティ)」について、新たにVisionary Flagを掲げた。まずは、日経BP 総合研究所のメンバーを中心に、「空間×ヘルスケア」の観点から未来のモビリティの役割について論点を整理していった。そのときの議論をお届けする(本イラストや記事内容に対する議論、お問い合わせはこちらにお寄せください)。

2030年に実現しているべき「モビリティ」空間をイメージしてイラスト化したBeyond Mobility(未来のモビリティ)。今回の記事では、このイラストに盛り込んだ主な論点について座談会形式で解説していく(イラストレーション:©kucci,2021)

高橋 「空間×ヘルスケア 2030」では、2030年を目標に、あらゆる空間を「未病の改善」に資する空間にしていくというコンセプトを掲げています。つまり、治療のための空間である病院だけでなく、あらゆる空間を検討対象としているわけです。

 とはいえ、モビリティの「場所と場所をつなぐ」という役割を考えると、まずは、病院と病院以外の場を結ぶモビリティについて、その未来像を整理しておく必要があるでしょう。

小谷 まず、テクノロジーによって医療に関わる「移動」と「車内空間」が大きく変わっていきます。フィリップス・ジャパンがMONET Technologies(ソフトバンクとトヨタ自動車による共同出資会社)と開発したヘルスケアモビリティのように、“動く診察室”の開発を進める企業も出てきました。心電図モニターや血圧計を搭載し、看護師が患者と同乗して医師と遠隔でつながる仕組みを備えています。

議論を行ったメンバー。日経BP 総合研究所 戦略企画部長 高橋 博樹(中央)、同 Beyond Health 編集長 小谷 卓也(左上・オンライン参加)、同 新・公民連携最前線 編集長 黒田 隆明(右)、オートインサイト代表、日経BP 総合研究所 未来ラボ客員研究員 鶴原 吉郎氏(左)(写真:左上を除き北山 宏一)