“ザッソウ“を支援する
仮想オフィス「Remotty」を自社開発

 ソフトウエア開発という仕事柄、社員は必ずしも一カ所に集まる必要はなく、通信環境とパソコンさえあれば仕事は成り立つ。その意味ではテレワークに適していると言えるが、だからと言って一人で完結する仕事でもない。クライアントとの対話はもちろんのこと、チームで動く以上は社員同士の交流も必須。ソニックガーデンでは雑談と相談を合わせて「ザッソウ」と呼び、仕事に欠かせないものと位置付ける。

 「隣席の先輩に『ちょっといいですか』と声をかけるようなザッソウは仕事をする上で重要ですから、”物理オフィス”で仕事をしていた頃も、チームのメンバーが話やすいレイアウトを工夫していました。テレワークではチャットやテレビ会議といったツールを使いますが、チャットは相手の状況が分からないし、テレビ会議は日時調整が必要で『ちょっといいですか』の気軽さがない。そこで8年前に自社開発したのが仮想オフィスツール『Remotty(リモティ)』です。画面上には勤務中の社員の顔写真が2分間隔でアップロードされるので、チャットで呼びかけやすく、会話が必要ならばそこからZoomの会議室に入れる仕様になっています」

「Remotty(リモティ)」のメイン画面(提供:ソニックガーデン)

 一般に勤務中の様子をPCカメラで撮影・共有することには賛否がある。社員の勤怠管理に必要との主張もあれば、監視される息苦しさを問題視する声もある。しかし、ソニックガーデンは管理や監視のために、この機能を開発したわけではない。目指すのは、あくまでチームのパフォーマンスの最大化だ。

 「チームにとってこの機能が必要な理由は3つあります。第一に信頼関係の構築のため。顔が見えることで、お互いに信頼感や安心感が生まれます。第二にステータス確認のため。2分間隔で静止画が上がり、ほぼリアルタイムで状況が分かれば、ザッソウが行いやすくなります。第三に一人も取り残さないため。社員の中には淡々と仕事をこなして最低限のことしか発信しないタイプがいます。チャットベースで仕事をしていると、発信がない人はネット上から存在が消えてしまい、周囲も気を配ることが難しくなるので、本人の疎外感につながりかねません。人間が組織において気持ちよく働くには周囲が自分に気にかけてくれているかという要素が大きく、これは学術的にも明らかなので、そのための環境づくりという観点で設計しました」