経営を支える
社員の良識とオーナーシップ

 ちなみにソニックガーデンはコアタイムなしの完全フレックスタイム制だ。このスタイルならば勤怠管理は必要ない。しかし、いくら自由でも夜間しか仕事をしない社員はいない。なぜならチームでパフォーマンスを最大化するという意識が共有されているので、他の社員やクライアントとコミュニケーションできる時間帯に勤務するのが当たり前になっているからだ。その上で、幼稚園の送迎や通院・付き添いなど、各自の事情を踏まえて補完し合い、協力する体制が整っている。

 また、本社オフィスは廃止したものの、社員の仕事場として「ワークプレイス」という制度を設けている。

 「自宅だと家族がいて仕事がしにくい、集中できないといった場合は、自宅から通いやすい場所に仕事場を借りてよいことになっています。その一つ、自由が丘(東京世田谷区)の『ワークプレイス』はマンションタイプで、冷蔵庫やデスクなど必要な備品類も会社の負担で揃えてあり、複数の社員が利用しています。借りる場所や賃料に制限はありませんが、会社が出す補助金の範囲内に収まっているようです」

 こうした場合、経費や補助金は限度額いっぱいまで使いたくなるのが人情かもしれない。しかし、社員への情報開示が徹底している同社ではそうはならない。経費や補助金が増えれば会社の利益が減り、利益が減ればボーナスが減ることが周知されているからだ。ルールや規制で縛るのではなく、各自の良識やオーナーシップに任されているのがソニックガーデンのマネジメントの大きな特徴と言えるだろう。