「空間としての安全性」を判断基準に

 中野氏は「清掃のプロセスは、ブラックボックスで顧客からは見えづらいところだった。これまでは目に見える汚れなどがなければクレームのような問題にはなりにくかった。そうした清掃によって実現する安心や安全が、これからはホテルを選ぶときの判断基準になると思った。立地やグレード、価格によってホテルは選ばれてきたが、そうした判断基準に空間としての安全性の担保が加わるということだ」と指摘する。

 清掃のプロセスを見直せると考えたのは、コアグローバルマネジメントは清掃会社を自社グループに抱えているからだ。同社はホテル経営、運営の会社であり、オーナーからホテルを一括借り上げし、運営を受託して利益を上げ、オーナーに利益還元をしている。ホテルの品質を高めながら利益率をいかに高めていくかは重要。

 かつて情報技術企業に所属し、そこからホテル業界に入った中野氏は、ホテルの事業は他業種よりも外注費が高いのが特徴であるところに注目してきた。「ホテルは外注の集合体。コントロール可能なコストと、コントロール不可能のコストがある。そうした中で、光熱費などはコントロールが難しいが、清掃と設備管理についてはコントロール可能と考えていた。ホテルの中では清掃や設備管理を外注にしている場合があるが、かねて人手不足が深刻化し、外注によるコスト削減は難しくなってきた。自前の体制を作ってきたことは強みになっており、その体制をコロナへの対応に生かせると考えた」と述べる。

 中野氏は独自の財務会計システムやオペレーションの仕組みを作ってきたからこそ、コロナ禍の中で、自社が強みとする清掃や設備管理の体制を動かすことができた。その凝縮が「シェルターホテル」と言える。

清掃担当者は防護服を着用した上で清掃に当たる(写真:コアグローバルマネジメント)