ドラッグストアは一番身近な「美容・健康ステーション」

 昔から欧米では、小売店やドラッグストアに当たり前のようにオーガニックコスメが並んでいます。「特別なもの、高いもの」ではなく、普通の人の日常に溶け込んでいるのです。だから日本でも、誰もが気軽にオーガニックコスメを手に取れる環境を作りたい、と考えました。その情熱を正面から受け止めてくれたのが、全国に約1700店舗を展開するマツモトキヨシさんでした。「利益は減っても、一緒に本物のオーガニックコスメを育てよう、啓蒙しよう」とタッグを組めたことで、「アルジェラン」の開発がスタートしたのです。地域に密着するドラッグストアは、子どもから高齢者まで幅広い層に美と健康が提供できる、一番身近な存在です。これ以上の環境はないと感じました。

 ドラッグストアで販売する以上、価格を抑えることが大前提ですが、精油の配合量など中身の妥協はしていません。目指すべき価格と品質のゴールを最初に決めて、あらゆる工程を見直していきました。私たちのスタッフは、いい意味で「あきらめが悪い」。普通にコストを積み上げていくと実現不可能に思えたものが、関わる人すべての努力のおかげで、美容感度の高い人たちからも評価を得られる製品になりました。でも一方で「この価格で本物のオーガニックなんてありえない」と信じてもらえなかったり、オーガニック風の派手なパッケージの製品に負けてしまうこともあり、そこは正直ジレンマがありますね。

研究機関と連携して効果を検証するなど、エビデンスにもこだわっている理由は?

 私は12年前、イタリアでオーガニックコスメを作っていたときに、香りのよさに思わず深呼吸したくなりました。これほど気持ちがいいと感じるのはなぜだろうと好奇心がかき立てられ、調べてみると、精油には心身に働きかけるさまざまなデータがあることがわかりました。「ナチュラル&オーガニック」というと、効果というよりは感覚、精神的なものというイメージもありますが、科学のアプローチで分析したいと思ったのが始まりです。

 「アルジェラン」だけでも購入者数はのべ1600万人を超えていますが、皆さんにきちんと効果を伝えようとしたとき、科学的なエビデンスデータは不可欠です。もちろん研究機関でデータを取るためにはお金もかかりますが、製品の本質を理解し、納得して使ってもらえれば、効果はさらに高まると思います。

環境保護にも積極的に取り組んでいますね。

 自然との共生を目指すカラーズにとって、環境保護は必然です。製品の容器の一部には、植物原料のバイオマスプラスチックを採用しています。そして温室効果ガス削減への取り組みとして、今期は約23%のカーボンオフセットを実現しました。2030年にはカーボンニュートラルを達成し、2040年には創業以来排出したすべてのCO2を回収することを目標にしています。

 化粧品原料にも多く使用されるパーム油の生産のため、インドネシアやマレーシアでは熱帯雨林を伐採して農園開発が進み、生物多様性の喪失や労働問題が起こっています。私たちは、パーム油を使用する化粧品メーカーとして、インドネシアのボルネオ島で年間1ヘクタールあたり400本の植林もスタートしています。