トイレでカラダの変化の予兆を把握

 まずは(1)の生体データや行動データ、環境データなどあらゆるデータを測定・蓄積する、という要素。これについては、住宅のあちらこちらに様々なセンサーが設置され、生活しているだけで、あらゆるデータをさりげなく取得できる未来図を描いた。

(イラストレーション:©kucci,2020)
(イラストレーション:©kucci,2020)
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 例えば、浴室では天井に設置したバイタルセンサーを使って、入浴中の生体データを非接触で測定する。実際、浴室で発生する事故として、急激な室温差によって血圧が大きく変動し、失神や心筋梗塞、脳梗塞などを起こすヒートショックが問題になっている。特に高齢者は、冬場に温かい居室から寒い浴室へ移動した際にヒートショックを引き起こし、死亡につながるケースも少なくない。浴室で血圧などの生体データを常にモニタリングできるようになれば、こうした事故を防げる可能性がある。

 トイレでは、尿や便などの排泄物からさまざまなデータを取得する。最近では、排泄物を検体とするヘルスケアサービスが続々と登場している。ユカシカドの尿を使った栄養検査サービス「VitaNote」(関連記事:尿にペーパーを浸しスマホ撮影するだけ、栄養検査の新機軸)、ウンログのうんち記録アプリ「ウンログ」(関連記事:「うんちを観る」、その蓄積をいよいよ医療・介護にも)などはその一例だ。

 地球上にありふれた生物「線虫」を活用して、尿からがんの有無を判別するサービス「N-NOSE」も、2020年1月にHIROTSUバイオサイエンスが実用化した(関連記事:[速報] 線虫がん検査、一般に受けられる施設が明らかに)。こうしたスクリーニングの技術とトイレの連携が図られれば、日常生活で無意識のうちにカラダの変化の予兆を把握できるようになるだろう。

 このほか、住宅内のさまざまな場所にある鏡は、肌の状態や自律神経の不調、ストレス度合いなどを把握するセンサーになり得る。寝室でもさりげなく呼吸や睡眠状態のデータを取得するようになる。