家の中でストレスなく移動できる乗り物も

 最後に(3)の命を守ったり健康を増進させたりする仕掛けを施す、という要素について。その一つとして、家の中で自然にエクササイズができる、運動を促す仕掛けが挙げられる。例えば、階段にルームランニングマシンの応用版を用いて、体に適度な負荷をかけ、健康を保てるように導く。階段の手すりにセンサーを搭載しておけば、平時の生体データの測定だけでなく、負荷状態での生体データをモニタリングする用途にも活用できる。

(イラストレーション:©kucci,2020)
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 精神面の健康を保つために、壁や窓が進化しても良い。有機ELやプロジェクションマッピングの技術を駆使して、四季折々の景色を壁や窓に映し出し、ヒーリング効果を狙う。そのほかオンライン授業やテレワークにも活用するなど、シーンに応じて使い分けることを想定する。

 照明は天井に設置しなくなるかもしれない。人は蛍光灯の光を上から照らすよりも、間接照明による明かりの方が好ましく感じるとされているため、有機ELなどを使って床や壁、備品を光らせるようになる可能性もある。

 高齢者の転倒を防ぐため、床にも工夫を施す。普段は屈曲せず滑らかで歩きやすい床だが、転倒してしまった際に怪我をさせないようサポートしてくれるような素材を用いるのが望ましい。

 歩くのが難しい人に対しては、家の中でストレスなく移動できるよう、室内用モビリティーを活用する。例えば、“ホバークラフト(空気を高圧で噴出し浮揚して進む乗り物)座布団”などが想像できる。

(イラストレーション:©kucci,2020)
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 命や健康を守るためには、健康を阻害する要因を家の中に持ち込まないことも重要なアプローチだ。そのために、玄関にエアフィルターや紫外線などを活用して、雑菌やウイルス、花粉の侵入を防ぐ。命を守る防災の観点では、車に防災機能を持たせて、自然災害が起きた際には車一つで避難できるようにする、といった具合だ。