当社の家だけではなく日本中に広く普及すればいい

先ほど、家の中での急性疾患の死亡者は約7万人との話がありました。積水ハウスが関わる住宅だけが早期検知に対応しても、救える命はその一部にとどまります。

 まずは当社で実験を重ね、技術として自信を持つことができる状態にします。センサーの取り付け自体、それほど高い費用はかかりません。ですから、どんどんオープンにして、当社の家だけではなく日本中に広く普及すればいいと思っています。

 新築だけではありません。リフォームで寝室だけにセンサーを付けてくれ、というニーズがあるかもしれません。そういったところにも、積極的にオープンにしていけばいいと考えています。

(写真:剣持 悠大、以下同)

 住宅の断熱強化については政府が次世代住宅ポイント制度を実施したように、例えば「急性疾患住宅ポイント」や「ヘルスケア住宅ポイント」というような制度ができれば、もっと導入しやすくなると思います。そんなところまで夢には見ていますけれど、まだまだ当社もパイロット段階。もう少し先になるでしょうね。

かねて住宅にセンサーを埋め込んで健康状態を計測するプロジェクトは幾つかありましたが、課題の一つとしてコストが挙げられてきました。

 まだ明確にコストを言える段階にはありませんが、センサーの取り付け費用はそれほど高いものではないと考えています。コストに影響する要因の一つは、センサーをいくつ付けるのかという点。今は、リビングと寝室をメインに絞り込んでいます。

 急性疾患の代表例である脳卒中や心筋梗塞はベッドで寝ていて、朝起きたら亡くなっているという事例が圧倒的に多いので、まずはそこを検知したいんです。恐らく、寝ている最中に具合が悪くなって苦しんでいらっしゃるのでしょうが、脳卒中だったらもう動けない。睡眠時間中なので家族がいても気づきにくい。朝までに4時間半なんてあっという間に経ってしまいますから。