コンソーシアム参加企業のソリューションを活用

 実施していた簡易ヘルスチェックの実施内容は、「受付」「血圧・野菜摂取測定」「身長・体組成測定/運動機能測定」「握力測定・歩行速度測定」「認知機能チェック」「フレイル問診/結果報告/健康相談」「アンケート」という7つの項目。前述のヘルステックを核とした健康まちづくり連携協定に基づき設置された「あおもりヘルステックコンソーシアム」に参加する各企業のソリューションを活用しながら設定した項目である。

 この中身について、フィリップス・ジャパンの望月氏は「予防領域を意識して選定した。具体的にはフレイルや生活習慣病の予防となる」と説明する。もっとも、実証段階であるため、今回の設定内容が完成形というわけではない。今後も必要に応じて「取捨選択しながら変化させていく」(同氏)考えだ。

 今回実証していた各パートの中身を、それぞれ詳しく紹介していこう。まず「受付」では、参加者の基本情報の記入や同意書内容の確認/署名などを行う。担当スタッフは市職員が務め、身分証明書の確認や参加者情報の登録、参加者IDの発行、同意書の確認・保管などを受け持つ。参加者のデータは、コンソーシアムに参画するインテグリティ・ヘルスケアのオンライン診療・疾患管理システム「YaDoc」を活用する。

「受付」の様子
「受付」の様子
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 「血圧測定/野菜摂取測定」では、まず血圧計で血圧を測定。次に、カゴメの野菜摂取量推定機「ベジチェック」を利用し、野菜摂取レベルと推定野菜摂取量を計測する。これらのデータを基に、担当スタッフである保健師あるいは管理栄養士が、その場で参加者に簡単なアドバイスを伝える。なお、モビリティカーが運用されている場合、このパートは車内で実施されることになるという。

野菜摂取量推定機「ベジチェック」では、センサーに親指の付け根部分をかざすと数十秒程度で結果が表示される
野菜摂取量推定機「ベジチェック」では、センサーに親指の付け根部分をかざすと数十秒程度で結果が表示される
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 「身長・体組成測定/運動機能測定」では、タニタの体組成計などを使って身長、体重、BMI(肥満度)、筋力総合評価(SMI)を測定。さらに、タニタの運動機能分析装置「ザリッツ」を使用し、椅子に座った状態から手を使わずに素早く立ち上がり、その後また座る動作から総合的な運動機能を測定する。また、ここでの測定結果は紙にプリントアウトされて参加者に手渡される。

利用者の足元にあるのが運動機能分析装置「ザリッツ」。腕を交差して肩に触れながら、素早く2回の起立と着席を繰り返して計測する
利用者の足元にあるのが運動機能分析装置「ザリッツ」。腕を交差して肩に触れながら、素早く2回の起立と着席を繰り返して計測する
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 「握力測定・歩行速度測定」では、握力計で両手の握力を計測するとともに、7mを歩く時間(=速度)を測定。国立長寿医療研究センターによるフレイル評価基準(2020年)では、握力は「男性28kg未満、女性18kg未満の場合」、歩行速度は「1m/秒未満の場合」とされている。

歩行速度測定では床のラインを目印とし、担当スタッフが一緒に歩きながら時間を計測する
歩行速度測定では床のラインを目印とし、担当スタッフが一緒に歩きながら時間を計測する
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 「認知機能チェック」では、iPadを使って簡単な記憶や識別テストなどを実施し、軽度認知障害リスクを判定する。チェック内容には「記憶力」「言語能力」「判断力」「計算力」「遂行力」があり、5つの認知機能の得点によって認知機能の低下を判断する。

iPadを使った「認知機能チェック」の様子
iPadを使った「認知機能チェック」の様子
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